自治体職員2人が全住民に関する個人情報をメールを利用して不正に自宅へ送っていたとして、懲戒免職処分と告訴したとの報道がありました。ほかにも複数職員が関与した疑いがあるようです。
確認された内容によると、氏名、住所、性別、生年月日の基本4情報を表計算ファイルで保有。さらに続柄、世帯番号、収入額など税務関連情報や、応急仮設住宅居住者情報なども保有。マイナンバーも600件保有とされています。メールによる自宅への個人情報ファイルの送付以外にも、USBメモリにより個人情報を含むファイルの持ち出しが行われていたということです。
役所で利用しているPCは、資産管理、PC操作ログ管理、外部デバイス制御をオンプレミスによるクライアント管理製品が導入されていたようですが、管理を徹底するところまでは至らなかった結果なのかもしれません。
インシデントが起きたときだけ操作ログをチェックするという操作ログの活用ではこのような事故を防ぐことは難しいといえます。PCで日々操作される情報ファイルには様々な内容が含まれます。通常業務においてもプリントアウトやメールに添付した送信、クラウドストレージを使った受け渡しが当たり前のように行われています。
操作ログは溜めるから可視化して活用するへ
クオリティソフトは、日々の操作ログを可視化させることにより、不正な操作をあぶりだせるようにしました。具体的には、「ファイル持ち出し」「印刷」「添付ファイル付きメール送信」「Webアップロード」の各操作をランキング表示で確認できるようにしました。
日常の仕事において各操作ログのランキングとその数量は、確認する期間を変更してもほぼ変わらないはずです。それは各業務の仕事がほぼ一定の作業になるからと想定できるからです。しかし、突然今までにランキングに登場していなかった人の操作ログが現れることがあります。さらに日常想定される以上の操作回数が確認できる場合があります。このような異常値は、その操作詳細やファイルの中身を深堀して調べる対象になります。
個人情報の持ち出しなどの悪意を持った操作は、短時間に多くの操作により犯行を実行するものと考えられることから、このような異常値の発見がインシデントを防ぐために役立つと考えます。
操作ログ管理のクラウドサービス「ISMLogAnalytics」は、PCで扱うすべてのファイルにおいて流出の危険を伴う操作をランキング表示しました。期間を選択するスライダーバーを動かすことで、このランキング表示が変わります。このとき異常値が一目で発見できるのです。
さらにISMLogAnalyticsでは、個人情報ファイルを見つけ出して同様に操作ログのランキングを可視化できるようにしました。異常値を示すランキングの棒グラフをクリックすることで、操作対象となったファイルの詳細が確認できるのです。
多くの企業や組織で操作ログ管理ソフトを導入されていると思います。これからの操作ログ管理は溜めるだけでなく可視化してインシデントを防ぐという考え方を持ってはいかがでしょうか。